引越し
おそらくここも誰も読んじゃあいないだろうけど。
超−1がスタートしてとにかくスピード優先だったためこのはてなダイアリーで
作ってしまったものの、ここはカウンターもアフィリエイトも有料でないと使えない。
今時珍しい。
改行の度に二度リターンを押さないと駄目なのも結構面倒くさい。
そこで今更ながら引越しを敢行。
いろいろ迷った結果、FC2ブログにしてみた。
あちらも何だか使い難そうな点もいくつかあるけれど、まあどこも似たようなもん
だろう。とにかくカウンターはちゃんとあるので、これまでみたいに自分でダイアリー内を
動くだけでページビューが数十〜百単位で動く、なんてことはなくなりそう。
まあ、一日に何十もまとめて書いていたせいもあるんだけれど。
もっと良いところがあればまた動いてしまうかも。まあ、もう新たな読み手もいないから
どうでもよいことだし気楽なものでもある。
新ブログでは次の超−1開催までは怪談絡みのネタもほとんどないとは思うし(書籍の
感想は書くかも)超−1読者には全く無駄な告知だとは思うけれど、一応引越し先を
御案内しておく。
【+6】境涯
<文章> +3 <体験> +3 <得点> +6
ようやく最後の作品だ。
最後の最後にこうした作品が届くとは。
これまで評点13段階中唯一使っておらず気になっていた最高点を、有終の美を飾る意味でも
是非進呈したいと思う。使えて良かった。
本来的にはこうした読み応えのある作品は大歓迎なので、心ゆくまで堪能させていただき
二読三読しさらに玩味した。
この作品に何か批判めいたものを付け加えるとしたら「得に」位しか思い付かない。
予め語っておくこと、敢えて伏せ後に明らかにすることで話を展開させていくものの取捨選択も
見事で、余韻のあるでも怖ろしいものをいろいろと想像したくなってしまう結末までほぼ
崩れることのない緊張感と品格に溢れた比類のない文章であり圧倒される。
お盆とは本来こういうものかもしれないな、と日本の民俗歴史にまで思いが拡がったり
火が消えるだけで無く、何かの合図か印がないと本当は入ってはいけなかったのだろうか、とか
さまざまな思いは湧いてくるけれど、それをいちいち紹介するには及ばないだろう。
この作品が最後の発表作品である、ということ自体が今大会最大の怪異であると思う、正直な話。
【+1】ヘルプさん
<文章> 0 <体験> +1 <得点> +1
冒頭から複数の人間が動じ目撃する、というレベルの高い怪異で始まり、期待して読んだ。
で、その後もさまざまなことが起きてきた。
だが、本来エスカレートしていくべき怪異の記述が、その後ほとんどあっさりと終わってしまい、
恐怖を高めてはくれなかった。
勿論全てをしっかりと書いていては長くなり過ぎるかもしれない。
しかしレナの部屋での話は最後になるのだからもう少し具体的に盛り上がるように描いていく
べきだし、途中も一つや二つはちゃんと紹介しても良かったのではないだろうか。
常に複数に目撃されていて、しかも店と部屋とを移動もしている霊体、という結構貴重な
事例なのにそのあらすじだけ語られたような気がして欲求不満が募る。
【−4】Last Shot
<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4
前に英字が化けてしまったことがあるので、著者には格好悪くて申し訳ないけれど念のため
題名を全角で表記させていただく。
何だかちぐはぐな話でどうにもしっくりとこない。
オーナーが「本当に、ここでいいんですか?」とまで何度も聞いていながら、事故物件で
あることを話していない。これは怪談から仕込んだ話なので本当かは知らないけれど、事故
物件は告知義務があるのでは。そこまで気にするなら説明するだろう。
そして、最初の怪異、カーペットが剥がされている、というのは物理的な現象であり、
かなり強烈な部類である。第一にこれは霊感が無くたって見れば判る。
そこまでの怪異に遭遇しながら、「霊感がある」という語り手はちゃんとした姿を見ることも
ない。
なのに、最後に携帯で写真を撮ったら、これも「霊感のない」著者ですらはっきり判る程に
霊が写っている。
こいつは語り手を避けてでもいたのだろうか。そのわりにはちょこちょことちょっかいは出して
いたようだけれど。
前半の幼少期の話はもうほとんど定番と言えるネタなので、今更感が強い。しかも先に
書いたように、だとしたら現在は相当に力が落ちてしまったのだろうか。本人が言っているだけ
なのか。
文章はやはり長い。その上説明が時折判らなくなる。かなり厳しい。
冒頭やたら霊感があるない、という話になっている上に店長に霊感がある、という文章が
重なってしまっている。
実は「郵便受取代行業」というの職業がどういうものか皆目見当が付かないのだけど、まあ
これは内容に関係がないからどうでも良いか。
【−6】トンネル
<文章> −3 <体験> −3 <得点> −6
2点問題がある。
まず、トンネル内で水が落ちてくる、というのはそう不思議なことではない。今まで出会った
ことはないけれどそれが雨のように落ちてくるところがないとは言えない。元々トンネルと水、
というのは大変相性の高いものであるだけに(トンネル掘削は水との戦いであることも多い)
そこで騒がれる方がむしろ違和感がある。
また、このカップルは心霊スポット探索としてこのトンネルに行き、何度も出入りしている。
とすると、語り手の方も相当周囲には気を払って気にしていた、と考えられる。
なのに、彼女だけが気付き、雨には気付いた語り手がその異常さに気が付かない。彼は一体
何を見ていたのだろうか。
しかもわざわざこういったところまで来るような彼女がそれを知って騒ぐでもなくむしろ
黙ってやり過ごしてしまう。
この怪異自体些細なもので黙り込んでしまう程深刻なものではない。やっと見つけた怪異なのに
なぜそれをその場で言わないのだろう。
最後の段はいざ現実に見てしまうと‥‥ということで説明が付かないこともないけれど、既に
相当に胡散臭さが募っているところなので、合わせ技一本として指摘しておく。ここまで
いい加減な話のここだけリアリティがある、というのも逆に変な話だし。
【−4】酔いどれ奇譚
<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4
酔いの幻と思わせておいて、という捻った展開を目指したのだろうけれど、それによって
怪異の一番よいところをすっぱりと削ぎ落としてしまっている。
勿体ないことこの上ない。
この怪異の肝はどう考えても噛み痕が残る程怪かしの者に噛み付かれた、という点にあるのだから、
種を明かした痕にでもちゃんとその顛末を書き加えるべきだった。相当な事件が起きていたのでは
ないのか。
それを覚えていない、というなら話にならないが。
そのためにこれが怪異ではない人によるものである可能性、もっと言えば自分で酔っぱらって
噛み付いた可能性までも生じさせてしまっており、むしろ酔っぱらいの戯言感を強めてしまって
いる。
策に溺れてリアリティまで喪失してしまった。