2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【+6】境涯

<文章> +3 <体験> +3 <得点> +6 ようやく最後の作品だ。 最後の最後にこうした作品が届くとは。 これまで評点13段階中唯一使っておらず気になっていた最高点を、有終の美を飾る意味でも 是非進呈したいと思う。使えて良かった。 本来的にはこ…

【+1】ヘルプさん

<文章> 0 <体験> +1 <得点> +1 冒頭から複数の人間が動じ目撃する、というレベルの高い怪異で始まり、期待して読んだ。 で、その後もさまざまなことが起きてきた。 だが、本来エスカレートしていくべき怪異の記述が、その後ほとんどあっさりと終…

【−4】Last Shot

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 前に英字が化けてしまったことがあるので、著者には格好悪くて申し訳ないけれど念のため 題名を全角で表記させていただく。 何だかちぐはぐな話でどうにもしっくりとこない。 オーナーが「本当に、ここでいいんです…

【−6】トンネル

<文章> −3 <体験> −3 <得点> −6 2点問題がある。 まず、トンネル内で水が落ちてくる、というのはそう不思議なことではない。今まで出会った ことはないけれどそれが雨のように落ちてくるところがないとは言えない。元々トンネルと水、 というのは…

【−4】酔いどれ奇譚

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 酔いの幻と思わせておいて、という捻った展開を目指したのだろうけれど、それによって 怪異の一番よいところをすっぱりと削ぎ落としてしまっている。 勿体ないことこの上ない。 この怪異の肝はどう考えても噛み痕が…

【−4】盗み見

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 怪異としては夢のシンクロニシティ、ということか。 しかし、著者の思いが全然あさっての方向に行ってしまっているのでまるで締まらないし 実にどうでもよい話になってしまっている。 妻の勘という話ならそれにまつ…

【−1】マロ

<文章> −2 <体験> +1 <得点> −1 時折「新耳袋」に登場したような怖い、というより呆気に取られてしまうような 珍妙な怪異の一例である。 よく判らないのは足音は、リズムのイメージなのか実際に語り手には音が聞こえて いたのか、という点である。…

【+3】拾った骨

<文章> 0 <体験> +1 <取材> +2 <得点> +3 途中描写がたどたどしく読み辛い。 一見よくある不届きものにとんでもない不幸が、という話かと思ったら、良い意味で 外された。 それも御都合主義のように花束が、と思ってしまいそうなところ、ここ…

【−1】老いても

<文章> −1 <体験> 0 <得点> −1 いきなり何かの続編のように始められても面食らうばかり。 動物が吠えて気配を、というのは直近に同類の話があったばかりでなく、この程度なら この大会でも繰り返し登場しているネタなので、流石にそれまでもチェッ…

【0】貸し切り

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 こういった作品の場合怪異の正体が分からない、というのは仕方のないところかも しれないけれど、それが後のやくざの対応にまで変化をきたしている、となると それは何故か、というヒントでもないとあまりに投げっ放…

【−2】聲

<文章> −1 <体験> −1 <得点> −2 最初の「AたGヤQ2TまWJ@フ5/?.%ん」と次の『ミューン』では長さもニュアンスも全く 異なってしまっている。前の方はある程度の長さのある言葉でそれが何語か判らない、 もしくは地球の言葉ではない、というイメージ…

【−2】真の映画ファンとは・・・

<文章> 0 <体験> +1 <得点> +1 二題ものかと思ったら、一つの「もの」を二方向から見る、という貴重な重ね合わせの 事例だった。これはそれなりに興味深い。こういう面白い取材が出来たことに感心する。 ただ、この作品の怪異は「映画好き」とは…

【−2】ぬるざら

<文章> 0 <体験> −2 <得点> −2 結局足で触った感触だけであり、それが獣であった可能性も否定できない。 大抵の動物は温泉好きらしいし。 これも他の方の講評を読んで納得。この感触、まさにオオサンショウウオか何かでは。 あれならまさにぬるざら…

【+2】壺

<文章> +1 <体験> +1 <得点> +2 肩を突き刺されながらそこをアピールしつつ無言で怒るだけ。 仕返しは傘をぶちまける程度。 ことさらに砕けた調子にしなくとも、内容で充分に笑わせてくれる。 こういう方がむしろ好ましい。 ただ、今後を考える…

【−1】手形

<文章> −2 <体験> +1 <得点> −1 ぶつ切りの文書のため。大変に読み辛く気力も萎え。でもどうにか読み終えてみると。 結局よくある現場の異常を超えることなく。そのわりにやたら細かいので一層疲れる。 書いていて気分が悪くなるので通常に戻す。 …

【−2】森の遊歩道

<文章> −1 <体験> −1 <得点> −2 髪も肌も白い、というだけでは現実の人間かどうか判断できない。白、というのが 比喩なのか完全な白色を差しているかも判らないので。以前青でも同じことを 書いたっけ。こうした比喩的に使用される色を敢えて書く場…

【−3】事務所にて

<文章> −3 <体験> 0 <得点> −3 久々なので服部さん中毒からは回復している。 しかし、文章、内容のひどさは相変わらずなので評価は出来ない。 記号、括弧etc.の多用は最早言うまでもない。文章力の欠如を視覚的に誤魔化そうと することで余計に醜く…

【+2】生きた魔除け

<文章> 0 <体験> +2 <得点> +2 一回書き終えた文章が消失。気力が‥‥。 猫がテーマであることについては題名や導入で明かさない方が緊張感が 増したのではないだろうか。まあ、猫が登場した時点で感づかれてしまうかも しれんが。 軽い怪異からス…

【−3】金縛り

<文章> −2 <体験> −1 <得点> −3 これも書き疲れちゃったけど、金縛りについては怪談ファンならもう体験したことが ない人でもイメージだけで体験したつもりになれる位そこら中で書かれ語られている。 だからその解説を見せられるともううんざりする…

【−2】ぎっしり

<文章> −2 <体験> 0 <得点> −2 添乗員、運転手専用部屋の話はかなり数多い。 残念ながらこの作品はその水準を超えるものではない。というより率直に言って (いつも率直にしか言ってないけど)水準にも及んでいない、特にその描写が。 このところ何…

【0】手首

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 怪異にぬくもりがある、という事例は聞いたことがない、気がする。 そういう意味で貴重な作品である。 ただ、怪異としての凄味はやはり無く、なる程、と思う程度でもある。 細かい話ながら、布団と毛布を突き抜ける…

【−1】イチ

<文章> −1 <体験> 0 <得点> −1 仏間と言えばどう考えても仏壇に意識がいく。 またそういうことに厳しい人なら方位を含めまず向きを考えるだろう。 そういう状況の中でしつけを厳しくされたと言われても説得力は全く無い。 しかも言われるまで気が付…

【+1】リフレイン

<文章> 0 <体験> +1 <得点> +1 強烈な恐怖ではないけれど、何だか空恐ろしくなる話である。 相手の正体やシチュエーションをじっくり考えると徐々に怖くなってくる。 過不足のない文章で状況もこれが怪異であることも理解でき問題なく楽しめた。 …

【0】んもー

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 この作品の場合リズム上も仕方のないところかもしれないけれど、やはり 「と」で終わる文が連続するのは気持ち悪い。 内容的には巧くまとまっている。しかし、ネタが小物であることは如何とも し難いし、展開的にも…

【−1】同士

<文章> −1 <体験> 0 <得点> −1 内容からすると怪異と良く遭遇する方なのだろう。 そのためか、この作品も主眼は題名の通り、怪異をきっかけとした奇縁作り、 思わぬところで人は触れ合うもの、というところに行ってしまっている。 それはそれで何か…

【−1】なにも見てない

<文章> −2 <体験> +1 <得点> −1 ネタとしてあまり新鮮味がないせいか文章に凝ろうとし、結果かえって 話のリアリティすら失ってしまった。 まずは仕事の説明について要領を得ず判り難い。 本編に入り語り手の独白の後「独り言を呟いていた」と付け…

【−4】お互い様

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 同じ部屋で寝ているようなのに、何故こうも体験が違っているのだろう。 この作品から夫婦はお互いに相手の怪異を見ながらも自分のことはわかっていない様子。 では、著者は一体どのようにしてこの話を取材したのだろ…

【−5】かなしばり

<文章> −2 <体験> −3 <得点> −5 経験者(それもかなり頻度の高い)なので判るのだけれど、金縛り中には眠れない、と 思っているのは体験者の錯覚で、金縛り中実際には眠っている。だから何も出来ないのである。 そして、大抵の場合その夢はかなりリ…

【0】ね、何かいる?

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 語り手にとって怪異が日常化してしまっているせいだろうか、一番大事な怪異の表現が 極めて粗く何だかイメージできない。 また相談者もまるで会社のちょっと嫌な奴の話でもするようにごく普通で、怖い、という 印象…

【0】泣き女

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 泣いていると思ったら嗤っていた、というネタは時折あるけれど、この話のように 号泣と哄笑は同じ声だろうか。この作品では途中の説明で声は嗚咽、でも顔が嗤って いた、とも取れる風に書いてはいるけれど、どうもし…