2007-01-01から1年間の記事一覧

【0】泣き女

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 泣いていると思ったら嗤っていた、というネタは時折あるけれど、この話のように 号泣と哄笑は同じ声だろうか。この作品では途中の説明で声は嗚咽、でも顔が嗤って いた、とも取れる風に書いてはいるけれど、どうもし…

【0】連打

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 瞬間移動もの。 なかなかに興味深いネタだったものの、文章が足を引っ張ってしまった。 不必要なまでに装飾された兄のキャラクター及び兄と語り手とのやり取りが 長く焦点がぼける。 体験の描写もたどたどしい印象で…

【0】立ちそば屋

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 表題と冒頭の「立ちそば屋」で引っかかってしまった。「立ち食い蕎麦」 「立ち食いそば屋」であって、立ちそば、という表記は初めて聞いた。 ネットで検索しても上位はこの作品の講評ばかり‥‥。 一部で使う人はいる…

【−1】やしろ

<文章> −2 <体験> +1 <得点> −1 怪談ジャンキーの生きざま、というものかもしれないけれど、これも怪異と 言うより語り手のキャラや彼の思考に主眼が置かれてしまっていて折角の怪異が 霞んでいる。 前置きについては事実関係さえはっきりさせてく…

【−4】ゴミ

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 これも基本が出来ていないので、怪談にはなり得ていない。 全身灰色、という点が怪異である、ということなのだろうけれど、ゴミの中から 出て来た、となると何かにまみれていた可能性もある。 何より、発車の瞬間、…

【0】時報

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 怪異か否かを検証していないと疑わしい、と感じてしまうのに、一方でこの作品のように そのチェックが作品の中心を占めてしまうと、それはそれでやはり違う気がする。 やはり恐怖や不思議より作業的な段取りだけが印…

【−2】映ってるんです

<文章> −2 <体験> 0 <得点> −2 この文章の切り方だけで生理的に受け付けない。 この作品はこの手のものでも特に強烈なぶつ切り感がある。何かコマ送りで映像を 見せられているような苦痛だ。 最初の怪異はまあきちんと書かれてはいるものの、その後…

【0】はさみうち

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 同じ人間(のようなもの)が何度も繰り返し登場する、という怪異はこれまでにも 何度も見聞きしたことがあるためさほど新鮮ではない。 男の描写が魚のような印象、というだけではちと物足りない。 要はこの作品の場…

【+1】流し

<文章> +1 <体験> 0 <得点> +1 怪談に恐怖・不思議以外の要素が必要かどうか。その要素への許容性によって評価が 異なってきそうな作品である。 個人的にはそうしたものを怪談には求めていないので特に評価する気にはなれない。 文章も巧いけれど…

【−4】贄

<文章> −1 <体験> −3 <得点> −4 残念ながら超「怖」では東京伝説系恐怖話を評価することは出来ない。 この作品では著者自体がそれを怪談ではないと自覚していたようなのでなぜ投稿して きたかも不思議だ。 現実に「超」怖い話の著者がそこは峻別し…

【−4】橋の上の出来事

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 語り手の反応や考えが妙で、そちらの方が気になってしまった。 川に落ちたと思ったのなら覗けば済む話で、手すりがどう、とかいう問題ではなかろう。 また自転車が車に引きずられる(づではない)音と漕ぐ音はかなり…

【−2】癒し系?

<文章> −2 <体験> 0 <得点> −2 怪異とは関係のない要素が多く、それが読み手をげんなりさせるタイプのものなので 怪異に出会える頃には、もうこちらもすっかり「ブルー」になってしまっている。 怪異は何とも不思議な存在ではあるけれど、癒し系か…

【−2】一緒に

<文章> −2 <体験> 0 <得点> −2 短いわりに描写がいい加減で読み手に理解させよう、という配慮が全く見られない。 著者の頭の中だけで判っている感じである。 なので、何がどうなっているのか想像するのがかなり厄介な作品であった。 そのために怪異…

【−4】怪談

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 アンフェアな作品である。 最初窓から声が聞こえた、と言っておきながら最後には「床下収納から」と 変えてしまっている。 しかも床下から聞こえてきた、というだけではそこを通じて外の声が聞こえて いる可能性も否…

【−6】絵

<文章> −3 <体験> −3 <得点> −6 何も怖くない。 これが事故死の前に、というのならまた別だ。 しかし自殺前にそれを意識した絵を描くことに何の不思議があろう。むしろ 死を決意した人はそうした自分に気付いて欲しい、とやはり思うものなのか 何か…

【−2】ここで

<文章> −1 <体験> −1 <得点> −2 語り手にとって日常的になってしまっていることをそのまま日常的に描いて しまったため、極めてぼんやりとした作品になってしまっている。 予知夢がその通りになる、というのは確かに不思議ではあるけれど、その内容…

【+1】環

<文章> 0 <体験> +1 <得点> +1 路面、だったとしたらコンクリートではない。こうした誤情報を提示されると こちらが読み違えていたかと思い元へ戻ったり考えてしまったりして明らかに流れが 阻害される。 怖い、というよりは妙な奴らだな、と思わ…

【+2】ふすま

<文章> +1 <体験> +1 <得点> +2 襖を開けようとする怪異なら数多くあったけれど、否襖に限らずどこかを開けるのでは なく必死になって閉める怪異、というのは初めて聞いた。 相手の必死な姿を想像すると、かなり笑える。 文章も的確で余計な要素…

【+1】磯に棲むもの

<文章> −1 <体験> +2 <得点> +1 私が相当に鈍い人間だからなのだろう。巧い作品だとは思うけれど、判らないところ どうも入り込めない点が多くてそれほど感銘は受けなかった。 一番はやはり「赤い斑点」の意味が全く判らないこと。 最後の「釣り…

【−1】蟻地獄

<文章> −1 <体験> 0 <得点> −1 前半は不思議な話に酔わせてもらった。怖い、というタイプの話ではないのでその 静かな雰囲気もマッチしているように感じられた。 しかし、後半突如C級ホラー映画のような展開に変わってしまうとその情緒は全て 吹き…

【+1】卒業の記念に

<文章> 0 <体験> +1 <得点> +1 体験者はこの「相手」にずっと想われ続けていたんだろうか。 さほど怖い話ではないけれど、事情を想像するといろいろと不思議な気がしてくる。 導入から体験への入り方などが自然で、描写も適当。文章で惹き付けて…

【−2】トイレにて

<文章> −1 <体験> −1 <得点> −2 確かに当人は怖かっただろうけど、これで読み手も恐がれ、というのは無理な話。 ここではこれが怪異ではない、という可能性が全く検証も言及もされていない。 この声がTVの音やステレオの音である可能性も充分にあ…

【+2】洗濯

<文章> 0 <体験> +2 <得点> +2 正体が分からないというのは非常に残念。でもだからこその怪談である、とも 言える。何か判ってしまったらこの味が失われてしまいそうだ。 文章も過不足はないもののメリハリももう一つ効いておらず、ちょっと 流れ…

【−2】デート

<文章> −2 <体験> 0 <得点> −2 一発怪談としてはかなり出来が悪い。 台詞自体誰が言っているのか判らない。台詞自体も彼女ではない「何か」が 言っていたように取れるけれどはっきりしない。 しかも右側に彼女がぶら下がっていたのならそれに気付か…

【−5】学校の池

<文章> −2 <体験> −3 <得点> −5 いかにも御約束なシチュエーションでスタートするこの話、いかにも 突っ込みどころ満載ではあるけれど、まずは根本の矛盾から。 この謎の代物は鯉を骨まで食べていたとある。なのに翌朝、鯉は浮かんで 死んでいた、…

【−1】朝礼の前に

<文章> −1 <体験> 0 <得点> −1 年に1、2回も人身事故に居合わせてしまうとは、それだけで坂本さんは凄いと思う。 平山氏のような特別な力を持っているのかも。 ただ、怪異ではなく朝野風景描写と社内の雰囲気を語ることに主眼が置かれてしまって …

【−1】悪霊

<文章> −1 <体験> 0 <得点> −1 「見える人」と宣言することはマイナスにしかならない、と講評で指摘されれば される程増えていく「見える人」怪談。怪談書き手はひねくれ者が多いのだろうか。 冒頭筋に関係のない家系の話(実は悪い意味で関係はあ…

【0】高笑い

<文章> −1 <体験> +1 <得点> 0 ただ落胆するだけでなく何か対策を考えればよいのに、とは思う。まあ既に 考えたり試したりしてどうにもならないのかもしれないけれど。 ただ、ある程度日常化しているなら「ふいに嫌な予感が脳裏をよぎる」という …

【+1】少女のいる風景

<文章> −1 <体験> +2 <得点> +1 ああっ、これは夢ネタか、と思ったら全く違う凄いことに。 ただ、最後になって急に同名の姉の話を出してくるのは、それまで一つの世界を きっちりと描いていただけに唐突でアンフェアな印象を受ける。 しかもその…

【−4】幻の…

<文章> −2 <体験> −2 <得点> −4 「……それだけ?」これが私の感想でもある。 結局長々と書かれた話のほとんど全部が無駄な要素で、怪異と言えるのは謎の バリケードと池(海)のみ。 ただ、この作者の書く情景描写は極めて不明瞭でおそらくはあまり…