【0】そら


 <文章> −1  <体験> +1   <得点> 0


 「真昼間」については既に別の作品で触れたので繰り返してもくどいし、ここでは
主題になっているわけでもないのでさほどは気にならない(全く、ではない)。


 ただ、怪に遭遇した時「死後硬直で」と書いたのはいただけない。
 この時点でこちらも友人同様、事故直後に硬直はないだろう、と話の中身そのものを
疑ってしまったからだ。怪談というジャンルで話の信憑性を疑われて読まれる程不利な
ことはない。そこで何が起こってもそれじゃあ、と読み流されてしまう危険が出てきて
しまう。
 ここでそういう印象を与えておいてそれをひっくり返すことで恐怖を倍増させる、と
いう仕組みを狙ったにせよ、こうしたマイナス要素でそれは吹き飛んでしまっている。
 若干表現が弱くなったとしてもここは手を挙げていた、という事実とそれを自分は
死後硬直だと思った(理解した)、というところを分けるべき。
 警官についてもそこまではっきりとした記憶がありながらその様子の不思議さに
気付かない、というのは不自然な気はする。まあ思い込み、などは誰にもあるものなので
あり得ない、とまでは言わないけれど。


 彼女はその手で何を指し示していたのだろう。