【+1】我が家のルール


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 空中で首つりを再現されては気味が悪くて外には出られないだろう。
 家の中からなら見えないのだろうか。
 死んだ場所で繰り返し死に直す、という話なら何度も聞いているけれど、墓の上で、
しかも何もない空中でパフォーマンスを見せてくれる、という霊は聞いたことがない。


 そうしたユニークな怪ながら、怪自体は話の最後の方、わずか4行で終わってしまう
というのは勿体ない。
 その前段も決して長いとは思わない読み易いし読ませてくれる文章なのに、一番力を
入れるべき部分で手抜きをされてしまったような拍子抜け感がある。
 実はその光景をちゃんと思い浮かべられるようになるために読み直せばならなかった
位だ。明らかに書き足りない。
 元々の体験談でこの程度だったのかもしれないけれど、「怪談」にする時点で
創作ではない演出はもっと練り上げても良いだろう。


 川霧さんは結局禁煙を強いられてしまったのだろうか。