【−4】縁
<文章> −1 <体験> −3 <得点> −4
ついに当日分まで辿り着いた。長い旅路だった。まだ先が長いけど。
童話風の書き出し。狙ってそうしたのだろう、後とのギャップを演出するために。
しかし、私には全編「お話」としてしか受け取れず、少なくとも怪談としての
評価は全く出来ない。
ここには人にあらざる怪が存在していないからである。
おばあさんのような行動は決してないものではない。ドラマで言えば
「ツイン・ピークス」にも似たようなおばさんが登場する。
妊娠の話も想像妊娠と考えれば無いものではない。
しかも、ここで大きな矛盾、と言うか欠落を感じ、一段と評価を下げた。
もしこれが本当に「身に覚えが無く」想像妊娠だとしたら現代の医者ならすぐに
判る筈。
もし医者も認める本当の妊娠だったとしたらそこで怪は生じるものの
今度は何故生まれてこなかったのか、ということが疑問になる。例え原因が無かろうと
きちんと妊娠しているなら(胎児が育っているなら)それは生まれてきて当然。
中を取って(?)、一度はちゃんと妊娠していたのだけれど、その子は生まれる
ことなく子宮から消失した(流産などではなく)のであれば、初めて怪として
成立する。
だが、そんなとんでもない話だったのだとしたら、それこそそこを書いてくれないと
意味がない。
今のままでは単に想像妊娠か流産のいずれか、と取ってもいずれにせよ何某かの
矛盾は抱えつつも説明ができてしまう内容となってしまっている。
最後の文章も犬のいなくなったいきさつを考えれば何の不思議もないのでは。
まあ、この犬が体験者の犬かどうかも記述されていないので判らないのだけれど。